【完】溺れるほど、愛しくて。





この前も信じていても裏切られる時は一瞬だと言っていたし。



「それは…」


「それでもいいの?
俺なら、裏切らねーけど」



ここで真実を話すわけにはいかない。


それに五十嵐さんはあたしのことは好きじゃないと思う。

まだ、お姉ちゃんのことが好きなんだ。


慶さんだけが上手くいっているのが気に食わなくて邪魔しているんじゃないのかな?



「あたし、慶さんがいいんです」


「は?」


「慶さんはあたしじゃなくてもいいかもしれないけどあたしは慶さんしか無理なんです」



もう、慶さんしか考えられないから。



「あと、前も似たようなこと言ったかもしれないですけど、信じることよりも裏切ることは簡単です」


「……」


「そのへんにしといてくんね?
こいつは俺の女だから、誰にもやんねーよ」



ぐいっと腕を引かれてすっぽりと慶さんの腕の中に収まってしまった。


な、なにこれ…!?

こんなの予想してなかったし!


さっきまでずっと無言だったくせに!