【完】溺れるほど、愛しくて。




「うん…あたし…
慶さんの腕の中にいるの…好き」


「なんだよそれ」



突然、どーしたんだよ。
俺だって人間だから“好き”とか言われてドキドキしないわけない。


今だって俺の鼓動は加速していってる。



「慶さんの冷たいくせに本当は優しいところも好き」



本当にどうしたんだよ。



「いつも優しいって言えよ」


「恥ずかしがり屋さんで
素直じゃなくて不器用なところも好き」


「それは褒めてんの?」



もう泣き止んでいるようで
肩の震えはいつの間にか止まっていた。


でも、顔をずっと埋めたままあげようとしない。



「仲間想いで、カッコよくて、頼りになって、こんなあたしを好きでいてくれるところも好き」


「お前を好きなのは当たり前だろ…ってマジどうしたんだよ」



いつも割と素直な方だとは思うけど、今日は異常過ぎねぇか?



「でも……なんでも我慢して一人で悲しむところは嫌い」


「え?」



そういった瞬間、潤んだ瞳で俺を見上げた萩花。


すげー可愛いけど、それよりも
今は萩花の言葉の方が気になった。