【完】溺れるほど、愛しくて。




『毎日毎日話しかけてきて、
うぜぇし、それは今でも変わんねぇ』



毎日毎日話しかけてくれて嬉しかったのは誰なのか。

その行動に救われたのは誰なのか。


本当は自分が一番わかってる。


そりゃあ、最初はウザかったけどそれが今ではかけがえのない存在になっちまったんだから。



『お前みたいなやつの
世話してるこっちの身にもなれっつーの!』



こんなこと、言いたいわけじゃねーのに。

本当は“俺と一緒にいてくれてありがとう”と言いてぇのに。



『それはこっちのセリフだ…っ!
いつもいつも無愛想で…そういうの見てて腹立つんだよ!!』


『お前はうるさすぎるんだよ…!』



俺たちは本音かウソか分からない言葉たちを吐き出しながらお互い殴り合う。



『裏切り者にそんなこと言われたくねぇよ!!
そんなんだから捨てられんだよ!!!』



だけど、その言葉を聞いた瞬間
俺は動きを止めて、拳を下ろした。



『……分かった。
もうお前らとは関わんねぇよ』



それだけ言うと俺は倉庫から去った。


忍の言ったあの言葉は勢いで言っただけなのか本心なのかは分かんねぇけどあー言われたことがすげぇ悲しかった。


いつの間にか忘れていたんだ。
俺は捨てられていたという事実を。