【完】溺れるほど、愛しくて。




『ふざけんじゃねぇよ…!!
お前なんて総長じゃねぇよ!!紅嵐じゃねぇ!!』



その言葉と同時に振り下ろされた拳が俺の頬に当たり、痺れるような痛みがはしる。


だけど、そんな痛みよりも忍の言葉の方が心に刺さってズキズキと痛む。


悪いのは俺だけど改めて言葉にされるとやっぱり辛い。



『俺たちはお前を信じてたのに…』



その言葉と共に紅嵐のやつらの顔を見るとその表情は俺を軽蔑しているように見つめていた。


ああ…もうここに俺の居場所はねぇ。
俺だって、信じてたよ、今だって信じてる。


だけど、俺たちの友情なんて所詮こんなもんなんだよ。



『舞花だって…お前のこと…』



もう一度、忍と絡み合った視線。
その瞳はかすかに切なげに揺れていた。



『…なんだよ』


『舞花はお前のことが
好きだったんだよ…っ!!』



そう言って、再び俺を殴り、そのまま地面に倒れた俺の上に乗って何度も俺を殴る忍。


だけど、その瞳からは透明な綺麗な雫が流れていたのを俺は気づいてた。