【完】溺れるほど、愛しくて。




『俺が全員片付けてやる』



紅嵐には手出しはさせねぇ。

舞花のためにも…
もう被害を大きくすることはできねぇ。


殴りかかってくる雷蝶のメンバーを
交わしては殴り、次々と倒していく。


だけどやっぱり一人で対抗できる人数じゃねぇ。


俺は両腕を掴まれて拘束されてしまった。


殴られ意識が朦朧とする中、視界に入ったのはにやりと不敵な笑みを浮かべる加藤。


俺は後ろを向かされ、加藤が持っていた先の尖った鋭利な刃物でシュっと背中を裂かれた。


『うぐっ………!』



じわりじわりと服に滲む赤い液。


背中にはしる鋭い痛み。
感じたことのない痛さに思わず倒れ込む。


くっそ…俺もここまでか。



『今回はここまでにしといてやる』



へへっと笑い紅嵐の倉庫から出ていった雷蝶。

早くこっから出ねぇと……忍たちにバレちまう。


アイツらは俺がこんな目に遭ったって分かったらまた襲撃しようとするに違いない。


それだけは避けなきゃなんねぇ。



『そ、総長!?』



フラフラと立ち上がりながら倉庫をあとにしようとしたとき、聞こえた声。


扉の近くに見えた一つの影。

それはどんどん俺の方に近づいてくる。