【完】溺れるほど、愛しくて。




今度は親父さんか?
なんとなく、顔が似ているし。



『はい。舞花さんは!?』



焦ったように忍が親父さんに聞くけど
親父さんの顔は険しいまま。


きっと、俺たちを軽蔑してるんだろうな。



『舞花はもう二度とお前たちとは会わせん。
一体、いつからこんな不良と知り合ったんだか…』


『てめぇ、ふざけんな…!舞花は…っ!』


『忍…、やめろ…!』



今にも飛びつきそうなくらいの勢いで親父さんに歯向かっていった忍を俺は慌てて止めた。


親父さんの軽蔑の瞳はますます色を増している。


俺たちは軽蔑されて当たり前なのかもな…
だけど、舞花だって逃げ場がほしかっただけなのに。



『俺たちが守りきれませんでした』



今の俺には…頭を下げることしか出来なかった。


俺がちゃんとアイツを守ってやっていたら…
一人になんかさせるんじゃなかった。


狙われるのは舞花の可能性が一番高かったのに。


そんなこと、わかっていたはずなのに。



『うちの娘はな、お前たちのせいで殴られ、痛い目に遭ってもう二度と普通に歩くことができないかもしれないだぞ!!』



それで初めて声を荒らげた親父さん。


自分の娘が痛い目に遭った辛さと後継者から下ろさなければならなくなる悔しさからだろうか。