【完】溺れるほど、愛しくて。




それだけ言うと舞花の声は聞こえなくなり、
その代わりに俺たちのことを一番憎んでいる族…雷蝶の頭の声が聞こえてきた。



『あー、わりぃ。この女ボコボコにしちまった。
早く病院連れてかなきゃやべーよ、ハハハッ』



ぶちっ、と切れた電話。

俺と忍は急いで奴らの倉庫に向かおうとヘルメットを被った瞬間、またしても俺のスマホが震え電話に出た。



『…舞花!?』


『……あなたは舞花と知り合い?』



聞こえたのは舞花の声ではなく、涙声で鼻をすすりながら言った女の声。


誰なのかなんてすぐに予想できた。
きっと舞花の母親だろう。


つーことは舞花は救急車に乗って病院へ向かってるっつーことか。


『はい。そちらの病院まで
伺わせていただいてもよろしいでしょうか?』


『…分かったわ。場所は○○病院』



舞花の搬送先を聞いて俺たちはバイクに乗って舞花のいるところまで向かった。

紅嵐のメンバー全員連れてくのは無理だから行くのは俺と忍だけ。


頼む……無事でいてくれろ…舞花。



『葛城舞花ってもう部屋に移動しまし…』


『きみたちが電話の?』



病院に着いてロビーで看護師に舞花の居場所を聞いていた時に横から男の声がして視線をそっちに向けると整った顔が俺たちを軽く睨みつけていた。