【完】溺れるほど、愛しくて。




『はぁはぁ……』


『もー、終わりか?
でも、まだまだ終わんねーよっ…!』


『うっ…』



腹部に激痛がはしる。
思わず腹を抑えてゴホゴホと咳き込んだ。


いってぇな…
こんなんじゃ俺…死んじまうぞ。


でも…このまま死んでもいいのかもしれない。

俺なんかが死んでもだれも悲しまねーんだから。



『赤羽…っ!』



ふと、名前を呼ばれた気がして振り返るとそこにはアイツ…五十嵐忍が息を切らして立っていた。



『…んだよ…お前まで…』



なんでこんなところにいんだよ。
さっさと帰れ、俺に構うな。



『一人でなにカッコつけてんだよ!
何のために俺がいると思ってんの!?』



そんなことをいいながら、俺に近づいてくる五十嵐。


お前と俺は他人だっつったのに。


なんで……こんなところにまで来てくれんだよ。



『ちょーどよかった。
お前も締めようと思ってたんだよね』



ニヤニヤと怪しく笑いながら五十嵐に近づく。