【完】溺れるほど、愛しくて。




『お前、顔貸せよ』



奥からコイツらの頭っぽいヤツが言った。

たぶんまたここで逃げたらいつまで経っても終わんねーだろうな。


しゃあねぇ、行くか。



『…行きゃいいんだろ』



それだけ返すとヤツらのあとについて行った。


たどり着いたのは今は誰の土地でもない空き地。

ところどころ、雑草が生えていて誰も手を加えていないことが分かる。



『昼間は逃げやがって…
覚悟はできてんだろーな』


『……別に』



そんなことどうでもいい。

ただ、さっさと終わらせたいだけ。



『うぜぇんだよ…!』



その声とともに頬を殴られた。
次々と俺に殴りかかってくるヤツら。


俺は交わして殴り返すも1:6だと勝ち目もない。

相手に出来るのはせいぜい三人ほど。