俺は一人でいい。
どうせ後から離れていかれるなら一人でいる方が気が楽。
『まあまあ、冷めてぇこと言わずにさ』
馴れ馴れしく肩をポンポンと叩かれる。
コイツ、めちゃくちゃうぜぇんだけど。
誰か黙らせてくんねーかな。
『ダチなんて、俺には必要ねーから。他を当たれ』
それだけいうと俺はアイツを置いて教室に戻った。
俺は成績が優秀ではないから先生に目がつけられがちだったけど
俺の態度かあまりにそっけなく怖いと思い、今では誰も何も言わなくなった。
大人っつーのはそんなもんだろ。
俺はもう誰にも縛られずに自由に生きてく。
五十嵐も俺が教室に戻ってすぐにあとからやって来たけど、俺は目も合わせなかった。
誰がどうなろうと俺には関係ねぇ。
中学を卒業したら
高校行かずに働くしかねーのかな。
俺の人生っていったい何なんだろーな。
この頃には俺を捨てた両親にはなんとも思ってなかった。



