そのときにタイミング良く、近隣の人が最近両親を見かけないと


市役所に電話をかけて、大人が家までやって来て、返事がなかったから無理やり部屋に入ったらしい。


あのとき、あの人たちが来ていなかったら俺は死んでいたとのちに言われた。


親戚もいなかった俺は
児童施設に入れられることになった。


別にもう抵抗をする気もなかった。
そんなものどうでもよかった。


俺は捨てられた、その傷が深くて感情なんてすべて忘れてしまった。


俺の世界は色をなくし、誰とも関わることなく毎日を過ごしていた。


児童施設は最初こそは縄張り争いのようなものがあって呼び出されては殴られたり、


変な噂を流されたりがあったけど俺はそんなものには興味もなくて


殴られれば殴り返し、気づけばみんなから恐れられる存在になっていた。


喧嘩は…そのときに身についたんだろう。


誰も信用しない、どうせ裏切られる、そんな考えが生まれたのは小学二年の冬だった。