たまに家に帰ってくると親父は酒を浴びるほど飲み、母さんは死んだように眠った。


誰も俺に構ってくれない…『遊ぼう』と言えば酒を飲んだ親父に『うるせぇ、ガキ』と言われ打たれる。


母さんに言っても『いま寝てるから邪魔しないで』の一言で済まされる。


それでも我慢していた。
愛されていた記憶がかすかにあったから。



でもあれは突然だった……


小二のクリスマス。

寒い寒い部屋の中でひとり、
膝を抱えて両親の帰りを待った。