【完】溺れるほど、愛しくて。




そんな優しい姉だから、こうやってお見舞いにやって来るんだ。



「久しぶり。あたしはいつでも元気モリモリ!
お姉ちゃんこそ、体調大丈夫?」



いつものように笑ってお喋りするだけ。

でも、五十嵐さんとお姉ちゃんの関係性が気にならないわけじゃない。


何かあるのは確実だけど、聞けない。


聞いてしまえばあたしが“BlackCity”に出入りしていることがお姉ちゃんにバレてしまう。



「だいぶマシになったよ。
リハビリでできることも多くなってきたし」


「そっか。さすがあたしの自慢のお姉ちゃん!」



お姉ちゃんは去年の秋頃、交通事故に遭ったとお母さんから聞いている。


あたしはそのとき、中学の友達の家に泊まりに行っていたから不在だった。


お泊まり中に狭間さんから連絡が入ってすぐに病院までかけつけた。


あの日見たお姉ちゃんをあたしは未だに忘れられていない。