なんて考えていると先ほどから
すれ違う人たちがこちらを見ては嬉しそうに話している。


絶対…慶さんのこと見てるじゃん。

いや、分かるよ?慶さんがカッコいいのは。


でも見ないでよ、あたしだけの慶さんなのに。


って…あたしすごく嫉妬してる。
自分にこんな感情があったなんて意外。


嫉妬してる自分と何も気づいていない慶さんにムカついて繋いでいる手をぎゅっと強く握った。



「…どうした?」


「なんでもないよ」



それに気づいた慶さんが
あたしに尋ねたけど本当のことは言わなかった。


重いなんて思われたくないし。