着いたのは近くのショッピングモール。
今日は休日だから人が多い。


気を抜いたら慶さんとはぐれてしまいそうだ。


注意して行動しないとね…!



「ショッピングモールなんか来て何か買うの?」


「…まあな」



ふーん。


慶さん、こういうところには
あんまり来ないタイプなんだと思ってた。


そのとき、左手に温もりを感じた。

不思議に思ってそちらに視線を移すと慶さんがあたしの手をぎゅっと握りしめていた。


て、手繋いでる…!?

う、ウソだぁ…!!


ま、まって…!?

頭が大混乱なんだけど!!


慶さんって外とかじゃあんまりイチャイチャしてくれない人だから手も繋いでくれないと思ってたし。



「け、慶さん…手が……」



なにかの間違いとかじゃないよね?

それとも、都合のいい夢ですか?



「……寒いから…俺の手あっためろ」



あたしの方を一切見ずに歩く人たちを見て言った。


へ?慶さん、あなたは何を言ってるの?
今は夏ですよ?寒いわけないじゃん。


むしろ、激暑だよ。
熱でもあるのかな?