「出してない…!」


「出てた。
ガキのくせにやっぱ女なんだな」


「むっ!またガキとか言う!」


「だってほんとのことだろ」


「自分だってまだガキのくせに」



一つしか変わらないんだよ?
なのにあたしだけガキ扱いされるなんて理不尽な話じゃん!



「そんな生意気なこと言っていーの?」


「…んっ」



反論しようと口を開いた瞬間、慶さんが口を塞いできた。



「まだ食わねーけど、
俺だってそんなに長くは待てねーからな」



長いキスが終わり、慶さんがあたしの頭を優しく撫でながら言った。


愛されてるな…って感じた。


あたしの心の準備がまだ出来ていないことを見透かして言ってくれたんだろうな。



「ありがと」


「まあ、それまでは
ここで我慢しといてやる」



そういって、色っぽく微笑みながらあたしの唇を人差し指で甘くなぞった。


背筋がゾクッとして全身を通っている血が沸騰したように熱くなってくる。


いちいち、仕草が色っぽいんだってば。


ただでさえ大人びた顔立ちに低くて甘いボイスの持ち主なんだから。