「…じゃ…い」


「聞こえねー、もっとおっきい声で話せ」


「イヤじゃない…!」



そういって、ムキになったあたしは
慶さんを力の限りぎゅっと抱きしめた。


ふわ、と慶さんの香りが鼻をかすめる。



「……可愛すぎるからキスさせろ」


「へっ!?」



な、なんですか!
その意味不明な言葉は…!!



「文句言わずに黙って俺にキスされてろ」



そんな俺様な言葉を発したとともにあたしの頬に手を当てて強引に、でも優しくあたしの唇に自分の唇を押し付けた。


何度も角度を変えて繰り返される甘いキスに
頭がクラクラしてきて、意識が朦朧としてきた。



「んんっ…んはっ…」



唇が離れて、一気に酸素を吸い込む。


本当に酸欠で倒れるかと思ったよ。
でも……なんか愛を感じたキスだったなぁ。



「エロい声出すなよ」



ふっ、と笑いながらあたしを見つめるその瞳は
とても色っぽくて鼓動はヒートアップしていく。