「け、慶さん…っ」
本当に心臓に悪いよ。
付き合ってからの慶さんは甘すぎる。
人が変わったように甘えてきたりするからもうあたしはずっとドキドキしっぱなし。
「すげードキドキしてるな」
「…っ、」
そんなこといちいち言わなくたって分かってるよ。
てか、慶さんがこんなことするからじゃん!
「は、離れて?恥ずかしいから」
「ん?やだ」
「や、やだって……」
「俺はまだこうしてたい。
お前の体温をそばに感じてたい」
はぁ…もうっ。
そんなこと言われたら
何も言えないじゃんか。
慶さんってば全部分かってて言ってるの?
どんどん慶さんを好きになっていく自分がたまに怖い。
だって、もしも慶さんと離れてしまうことになったらあたしはきっと壊れてしまう。
慶さんを求めては泣くだろう。
こんなにも好きになってしまったんだから。
「それとも、萩花は俺にこうされるのイヤ?」
意地悪っぽく聞いてくる慶さんは
あたしの気持ちをちゃんと分かってる。
あたしが…イヤなんて言えないことを分かってて言ってるんだ。