【完】溺れるほど、愛しくて。




「んじゃあ、行くぞ」



あたしはスマホをポケットにしまい、
【探さないで】と置き手紙を机に置いて慶さんの手を掴んだ。


ゆっくりと綱で下り、
地面に着くと二人で協力しながら塀を超えた。


みんなごめんなさい…
でも、あたしはこの人と生きたい。


───…ピーピーッ


塀を超えてすぐにセキュリティが反応する音がしたから二人で思い切り“BlackCity”まで走った。



「…はぁはぁ、ここまで走れば大丈夫だろ」


「…う…ん…はぁはぁ…疲れたね」


「マジ、なんで俺がこんなに
振り回されなきゃなんねーんだよ」



いつものように辛口なことを言う慶さん。


そんなことだけで幸せを感じているあたしはおかしいのかな?



「ごめんね」



あたしが謝ると
なぜかすぐに大好きな香りに包まれた。


あれ…慶さんに抱きしめられてる…?