【完】溺れるほど、愛しくて。




その日の午後22時を過ぎた頃。



ベッドの上でスマホをいじっていたあたしは
コンコンッとありえないところから音が聞こえたからそちらに視線を向けると窓に人影が見えた。


え……?泥棒?
でも、どうやってここまで?


セキリュティは完璧なんじゃないの?
でもあたしの部屋に来ようと思えば来れる。


綱かなんかでバルコニーまで登ってくれば来れる。
けど、そんなことする人がどこにいるって言うの?



「誰…?」



恐る恐る近寄っていくとそこには見覚えのあるシルエットがあって急いでバルコニーのカギを開けた。


ウソ……



「慶さん…っ!」



あたしは慶さんに飛びついた。
嬉しくて、嬉しくて涙が溢れて止まらなかった。



「…萩花」



ぎゅうっとあたしを強く抱きしめる慶さん。
このぬくもりがとても愛おしい。


ずっと、離れずにいたい。



「でもどうやってここまで…?」


「綱、登ってきた」


「えぇ!」


「あんまでかい声出すなよ。
バレるだろ、ただでさえ不法侵入なのに」



とっさにあたしの口を自分の手で抑える慶さん。


不法侵入って分かってて来てくれたんだ…
でもそんなの関係ないよ。あたしが会いたかったんだから。