【完】溺れるほど、愛しくて。




本気で心配してたなら
もっと早くあたしを連れ戻しに来ているはず。


そう思うと心の底からは喜べなかった。
今はこうしてあたしのことを気にかけてくれるけど


たぶん数週間後にはまた元の生活に戻ってあたしは寂しい思いをするハメになる。



「…うん」



だけど、またあたしの口は嘘をつく。
自分自身を守るために。



「今日はゆっくり休みなさい」



あたしの頭をそっと撫でて
笑顔で言うと部屋から出ていった。


それから夜ご飯を食べてお風呂に入り
何もせず、すぐにベッドに入ったけどなかなか寝付けなかった。


慶さんのいない夜はとても寂しく感じた。


そっと、自分の唇触れる。


目を閉じて慶さんに
キスされたときのことを思い出す。


抱きしめられた時のぬくもりを思い出す。


思い出すたびに胸がトクントクンと心地いい音を奏でていく。


今、なにしているのかな?

一人で寂しくないかな?


なんて、慶さんのことばかりを
考えながらその日は眠った。