「うぅ…っ…慶…さんっ」
会いたいよ。
今すぐあの時みたいに抱きしめてよ。
慶さんがふわっと笑ったあの顔が頭の中に焼き付いて離れない。
あぁ…好きだ、大好き。
なにか連絡手段があれば……
あ、そうだっ…!
スマホがあるじゃん……!
と思ってポケットからスマホを取り出したけど、ロックを解除するまえにやめた。
だって、まず慶さんの連絡先なんて知らないし。
こんなことになるなら無理矢理にでも聞いとくべきだったな。
フラフラとする足取りでベッドにバタンと倒れ込んだ。
家の匂いは落ち着くなんて誰が言ったのか。
それはあたしの場合は真っ赤な嘘だ。
こんな匂い…寂しさを思い出させるだけ。
どうして…あたしはお姉ちゃんになれないんだろう。
ボーッとする頭で考えるけど何度考えても答えなんてでてくるはずもなくて
最終的には慶さんとの短い日々を思い出すだけだった。
慶さんはあたしがいきなり
いなくなって心配してくれてるかな?
そんなわけないよね。
むしろ、いなくなってよかったと思っているに違いない。



