【完】溺れるほど、愛しくて。





どんなに抵抗しても自由は手に入らない。
だって、あたしは葛城財閥の娘だから。


逃げても逃げてもそれは付いてくるわけで
あたしはもう一生自由にはなれない。



「俺が……金持ちならよかったのに…」



そんな狭間さんの声が聞こえた気がして「なんか言った?」と尋ねる。



「いえ、何も言っておりません」



そっか……空耳か。
狭間さんに迷惑かけっぱなしだなぁ…あたし。



「ごめんね、狭間さん」


「え?」


「いっぱい迷惑かけちゃって」



狭間さんは何も悪くないのに。
ただ自分の仕事をこなしているだけなのに。