なんて、そんな訳ないか。
あの人の言うとおり、もう二度とあの人と会うことないんだし。
また…あたしは縛られて生きていくんだ。
そう思うと、重い重いため息がこぼれた。
「ただいま」
「萩花、勉強はちゃんとしてるの?」
玄関に入ってすぐに海外に行っていたはずのお母さんが帰国していてリビングから顔を覗かせた。
帰ってきて、第一声がそれ…?
本当にこんな家なんて嫌になる。
勉強、勉強…そればっかりでいつかノイローゼになってしまうんじゃないか、と思うくらい。
「あ、そうだ。
最近車で帰っていないみたいじゃない。
危ないからちゃんと狭間のいうこと聞きなさい」
それも言われると思っていた。
うちの親は厳しい上に過保護で普通の生活なんてあたしにはない。
どこに行くにも執事やメイドがついてきて、何をするにも一人でさせてくれない。
生活をすべて管理されている感覚になってくるから、自由がほしい…と思ってしまうのも無理はないと自分では思っている。



