私達が出会ったのは小さな花屋だった。


「いらっしゃいませ」

若いお兄さんが笑顔で出迎えてくれる。

「あの、御見舞用の花束を作って頂けませんか?」

お兄さんは柔らかく微笑むとすぐに作り始めた。

5分たったころ、お兄さんに呼ばれた。

「これでどうでしょう?」

そこには色とりどりの花がそれぞれを尊重するように座っていた。

「わぁ綺麗…」

思わず心の声がもれる。

それくらい綺麗だった。

「じゃあこれはサービス」

お兄さんが追加で差し込んだのは赤い花だった。

「これはダイアモンドリリーと言って、『忍耐』や『また会える日を楽しみにしています』という意味を持つ花なんだ」

「ダイアモンドリリー…ありがとうございます!」

「どういたしまして」

私はその花束を持って病院に向かった。