涙の、もっと奥のほう。

知らない内に時弥は寝息をたてていた。

茶色い前髪が目にかかるほどに伸びていて、寝顔のこの人は女の子に見間違うほどだ。

なんでか急に笑いが込み上げて来て、一人布団の中で笑った。

しばらくしてうとうとしだした私は、運命の時間を迎える事になる。

起きているのか、寝ているのか…自分ですらよく分からない状態の時だった。

誰か、私の横に座っている。

そう思った時だ…背骨を一息に頭の先から引き抜かれたような感覚に襲われた。

痛くもないし、苦しくもない。

どっちかと言えば気持ち良い、そんな感じ。