涙の、もっと奥のほう。

「龍奈と一緒。綺麗な人だね」

微笑を浮かべてこっちに振り向いた時弥に、思わずドキっとした。

「そうかな」

そんな照れ隠しの言葉でごまかす。

そこまで喋って思い出した。

『お母さんが、会いにきてくれる』

時間はとうに深夜で、慌てて布団に横になった。

合わせるように時弥も布団に入る。

「龍奈、明日買い物いこうぜ」
「そうだね。時弥は荷物持ちね」

そんな事を話しながらお母さんを待ち、もう片方で違う事を考えていた。

正直、自分でも分からないんだ。

時弥と自分の関係。