涙の、もっと奥のほう。

案の定、時弥は泊まっていくと言い張って譲らず、今回は私のベッドの下に布団を敷いて寝る事になった。

この勝手極まりないクラスメイトは私の部屋で自由気ままにくつろいでいる。

「なあ龍奈」
「なに?」
「この真ん中の写真の人、誰?」

ベッドに仰向けに寝転びながら携帯を弄っていた私に時弥がかけた質問は、お母さんの写真のこと。

「ああ、私のお母さん。私が三歳のとき病気で死んじゃったんだよね。その写真はお母さんが高校生のときのなんだって…何か好きなんだよね。その写真」