「ちょ、大丈夫!?」




蘭ちゃんが焦った顔で駆け足で近づいてきた。





そして、無地のハンカチを差し出してくれた。






私は涙を一生懸命 拭いた。







その匂いがさっき別れた風磨の匂いみたいだった。







でも、私は蘭ちゃんに言わなかった。






「ううん、...何でもない...」








すると、蘭ちゃんは重たい顔つきで私の方を見てきた。








その目は鋭く、何か感じるような目だった。









「ど、どうしたの...?」









心配になって聞いてみたら思いがけないことを蘭ちゃんは言った。









「花梨ちゃんに何があったか分からない。けど、ひとつ言っていいかな。」








蘭ちゃんは重い口を開いて言った。























「全てを忘れられる所があるよ。」













蘭ちゃんの目は真剣だった。













でも、蘭ちゃんの瞳は薄暗かった。








「何...そ れ...」










私は蘭ちゃんに問いかけた。










すると、蘭ちゃんは










「これ以上は言えない。」








と言われた。