歩いているとだんだんと足が重くなってきた。



やっぱり歩かなきゃ良かった。




そう思った。




すると、向こうから誰かが歩いてくる。






人通りのない路地。






一体こんな時間に誰が...






そう思った。






すると、










「あっ、久しぶり」










そう声をかけられた。










「誰...?」








そう問いかけると








私の近くにある街灯に照らされて顔が見えた。







すらっとした顔立ち。






けど、少し濃ゆい化粧。







キャバ嬢みたいな服。









「えっ、蘭ちゃん?」






私が言うと、








「やっとわかったの?笑 そうだよ?」




と蘭ちゃんは言った。





私と蘭ちゃんは中学時代の同級生。







私は優等生だった。







それにくらべ蘭ちゃんは暴走族にはいってたと聞いた。






つまり、ヤンキーだった。







だから蘭ちゃんは私と仲良くすることもなく中学を卒業した。






その後は、友達から聞いた話によると、都市のキャバクラでキャバ嬢として働いていると聞いた。






そんな蘭ちゃんが今頃、何の用だろう。








そう不思議に思っていた。





風磨と別れたばっかりの私は人と会いたくなかった。







すると、









「どうして泣いてるの?」






と聞かれた。








自分の目に触れると水がついていた。







拭いても拭いても流れてくる。








私は泣いていた。








知らぬ間に泣いていた。








静かに、音をたてることなく。









私は泣いていた。