ああ、私ってなんて滑稽なんだろう。
忘れたはずなのに、いつまでも気になるなんて……



目の前には親友の由佳と幼なじみの葵。仲良く手を繋いで歩いている。


そんなふたりを見て荒れる私の心。なぜ今さら……忘れたはずだと何回言っている。


「望由、帰ろう。」


────私を誘う必要はないでしょう。


「あ、ごめん。今日は公園に。」


公園でぼーっとするのが私の趣味。でも、今日は


「またボケーっとしに行くのかよ。」


────いろいろ考えに行くのよ。


「まぁ。」


「はいはい。じゃあな。」


頭に浮かんでくる言葉を振り払うように口を濁していると、ふたりは帰っていった。


さすがは幼なじみ。私が口を濁す時は放っておいて欲しいというところだけは理解したようだった。