俺はただ黙って雛子の隣に座った。


でも、慰めることなんてできなくて。


ただ、座っているだけだった。


どのくらいたっただろう。


隣には泣きつかれて寝ている雛子がいた。


「…私が陽太を、守らなくちゃ…」


寝言でそう言う雛子をみて


俺は恋をした。


あれから一度も雛子の泣いてる姿は


見たことがない。


けど、雛子が泣いているときは


いつもそばにいられるように


ずっと一緒にいたい。