「紫月。ちょっといいか」


もう、ずっと見てなかった冬夜が教室に来た


「冬夜……うん…」


私は嬉しくなった


そして期待もした


何言われるのかな


私は冬夜に連れられ普段は使われていない教室に入った


「鍵。」


「あ、うん」


そんなに誰にも聞かれたくないような話なの?


やっぱり夢のことかな


「紫月。お前さ、相手見つかったか?」


「ううん。検討もつかないよ。」


「そうか……」


冬夜は何かを考えるように黙りこんだ


その沈黙を破るように私は


「冬夜こそどうなの?」


と聞いた


すると冬夜は


「ん、まあな…。」


と答えた


え、それだけ?見つかったの?見つかってないの?


でもこの反応って見つかったってこと?!


嘘……どうやって?


「気持ち、か?」


「え、なんか言った?」


「なんも言ってねーよ。」


冬夜が何かをつぶやいた気がしたが私には聞き取れなかった


「それが聞きたかっただけだから。じゃあな。」


「ま、待って!」


私はとっさに冬夜の制服を掴んでいた