「私と一緒にいても、楽しくないでしょ。」
その次の日も、真夏君は私に会いに来てくれた。
「ケガしたんだよ。」
いつもそう言って彼は、私のいる保健室に来てくれる。私は、彼が本当にケガをしているのかを最近、疑い始めた。
だから、「真夏君、本当にケガしたの………?」
と、勇気を出して訊いた。
「してないよ。」
「え!」
すんなりと言った彼の言葉を聞いて、私はかっと目を見開いた。
「ダ、ダメじゃん。ケガもしてないのに、保健室なんか来たら………」
「いいじゃん。俺、冬ちゃんのことが好きなんだから。」
照れ臭そうに笑いながら、私のことを好きだっと言った真夏君。
「え!」
彼の発言を聞いた私は、頭が真っ白になった。
「でも、真夏君は私じゃなく、季節の冬のことを言ってたんじゃ………」
「あのときは直接言うのは恥ずかしかったから、敢えて遠回しに今の季節とかけて言ったんだよ。さすがに、分かりにくかったよな。」
「………」
顔を赤くして恥ずかしそうに笑う真夏君の姿を、私は今にも泣き出しそうな顔で見つめる。