「そんな毎日毎日自分の理想の恋愛日記ばっかり書いて、楽しい?冬。」
「えっ、来てたの?千秋。」
親友の竹下千秋の声を聞いた私は、自分の理想日記から現実に戻った。

千秋は長い黒い髪の毛をゴムで一つに可愛く結んでおり、私の書いている理想日記に目を落とした。と言っても、ただの私の片思い日記だったけど………
「ダメ!見ないで。」
私は顔をリンゴのように赤くして、叫びながら日記を手で隠そうとした。が、ーーーーーー
「見なくても分かるよ。どうせ、山本真夏君との空想の恋愛日記でしょ。」
ーーーーーードキン!
見事に日記に書いていることを当てられて、私の心臓の鼓動が跳ねた。