秋ちゃんはそう言うと、私の頭を撫でて帰って行った。
私は何が何だか分からずにただその場で泣いていると、ピュルルとスマホが鳴った。

秋ちゃんからだ…

私はしゃがみ込んで膝を抱えて泣いた。
秋ちゃんから送ってきたLINEは、中学の体育祭の後に二人で滑り台で撮った動画だった。
真っ赤な髪をした秋ちゃんとまだ幼い私が、楽しそうに騒いでいる。
そして、BGMはあの時のトレモロだった。

秋ちゃん、分かったよ…
七海は、もう、秋ちゃんをあきらめる…
秋ちゃんの言うように、カッコいい彼氏を作って、前を向いて歩くから…

秋ちゃん、さようなら…

まだ本当は大好きだけど、でも、いつか忘れられるよね…
バイバイ、秋ちゃん…


「七海~~」

皆で泣いた…
私の恋は、友達の思いやりの中で終わった。

そして、最高にクールな秋ちゃんの優しさの中で…