「…うん」
「貸して」
私は涙を手のひらで拭きとって、秋ちゃんにスマホを渡した。
「七海、俺とお前は友達だろ…?
友達だったらLINEの交換をするし、連絡先も教え合う」
秋ちゃんは私のスマホをいじっている。
「俺は七海の彼氏にはなれないけど、一生、七海の友達でいる。
そっちの方がよくね?
七海は和弥の妹で、大切な幼なじみで、だから何かあったら絶対七海の味方になる。
だから、俺の事は早く忘れてカッコいい彼を作ること、了解?」
私はしゃくりあげて泣いた。
「よし、じゃ、友達の印に今から俺がスマホにプレゼントを贈るから。
七海の友達~、もう出てきていいぞ~」



