でも、やっぱり、私は秋ちゃんのいる高校に行くって言おうとした時、一発目の花火が上がった。
向こうで秋ちゃんの仲間が呼んでいる。

「じゃあな、七海。
勉強、頑張るんだぞ。
高校生になったら、俺みたいにバラ色の人生が待ってるから」

秋ちゃんはそう言って体育座りをしている私の頭を撫でた。

「秋ちゃん、秋ちゃん…」

「何だよ…」

「秋ちゃん、七海…
やっぱり、秋ちゃんが好き。
秋ちゃんの彼女になりたい…
ねえ、秋ちゃんの彼女になるにはどうしたらいいの…?」

私は泣くのを我慢して、私を見つめる秋ちゃんにそう聞いた。
秋ちゃんは遠くにいる仲間に何か合図してから、私の前に座り込んだ。

「七海は、俺の彼女にはなれないの。
それは、七海は俺の妹みたいなもんだから」

秋ちゃんはしかめっ面の私の顔をぷにゅぷにゅして笑った。

「じゃあな」