私が犯人じゃないって、焦って言う人あやしい。

でも今までの事件、犯人じゃない! って焦った人は無実で、警戒心のない人が犯人だったりする。

それは全てがそういうわけではないから、井形さんが犯人ってことも考えられる。


「あの……話を続けます。璃倫さんは、仲の良い友達は、いないのですか?」

「いるよ。」

「誰ですか?」


壁掛け時計が、13時をさす。


「あっ、次の仕事がある。私帰ります。」


井形さんはハイヒールを履いているのに、かなりのスピードで走って警察署を出ていった。