足守さんは涙を流している。それを手で隠しながら。


「俺の父、テレビで璃倫さんを見ているとき怒ってチャンネル変えます。今でも恨んでいて、何がダメかって聞けば『幼少期の甲高い声の面影が今でもあるから聞きたくない。』と言ってました。」

「璃倫さん、声が高いですからね。だから声優や歌手を目指していたんでしょうね。」


しかし、肝心なことを聞いていない。


「いちばん聞きたいところがあります。足守さんは、なぜいつも璃倫さんの家の前に立っているんですか?」

「それは言えません。」

「事件解決のために、どうしても教えてほしいんです。」


なぜ教えたくないの?

足守さんは本当は犯人だから、黙秘しているの?