うそをついているので、責めてやろう。


「璃倫さんがデビューしたのは3年前。ならば、なぜ5年前の28歳にもらったんですか?」

「璃倫さんは小さいころからモデルになりたいって言ってました。そのせいか、隣人は璃倫さんにサイン色紙を遊びでもらっていました。」

「遊びで?」

「ある日、隣人が『羽柿さん家の次女が声優か何かのオーディションに出るらしい。』と言い、将来高値がつくだろうとして、そのサイン色紙を俺にくれました。」

「なるほど。本当ですか。」

「はい。それを期待して大事にしまっておいたけれども、人気が上がる前に亡くなってしまった。ひどいですよね。」

「確かにひどいです。でも、サインは璃倫さんのためにとっておいてください。」

「わかりました。いわゆる形見ですね。」


話していくにつれて、足守さんが犯人ではないような気がしてきた。


でも、あやしい人リストからは消さない。


璃倫さんの祖母も、不審者だって言ってるから。