図書室への登校はなんだかホッとする



周りにある本を読んでみる



この図書室、人が来ない割には



芥川賞、直木賞、本屋大賞、など旬な本が揃っている







ふっと昔の記憶が頭の中をかすめる





記憶の中でお父さんがぺらぺらと写真集をめくっている。



壁には本棚がずらりとならんで、部屋が紙の匂いがした



図書室がホッとするのも、お父さんのお陰かもしれない



お父さん、ごめん



画材セット……


パレットおられちゃった…


ぐすっ…ぐすっ



「どーしたの?うーみちゃん」



「しんじょ…う…ゆう…」


「おおお、どうしたどうした、晴を探してたのに海ちゃんが泣いてる」






「…ふっ…うう…」



「よしよし」



頭ポンポンとされる


「うっ…ごめん、戸惑わせて…」



「いーのいーの!俺、女の子が泣いてるの見てられない」




「ふふふ、みんなの新庄佑雨だもんね」



「海ちゃんも俺のこと好き?」



「いや?」



「…変わってんね」



「普通よ」


「そーそー、今日、海ちゃん休みかと思ったのに」



「いや…まあね」



「晴を探さなくていいの?」




「あぁ、何してんだろあいつ」




突然、体が新庄佑雨に引き寄せられる




すっぽりと腕の中に収まる




「なにしてんの?」




「うわあ、無反応〜」




「新庄佑雨ってアメリカンだね」



「佑雨でいいって」



「佑雨は帰国子女?」



「ちがうよ、海ちゃんのこと気に入った!」




「謎」




「ははは、じゃあね」