晴だけの海

保健室に入ると



「あらあ!どうしたのびしょ濡れで!」

と頭を拭いてくれた。



きっとボロボロの画材も見えたけど、


私が頑なに口を閉じてるので



「なんでも言ってね」


とだけ言われた。




保健室の先生は


体操着とドライヤーを借してくれた。





「絵の具は蓋がちゃんと閉まってたから大丈夫よ」



「ありがとうございます」






そんな時に晴が入ってきた



なんてタイミング…



「…サボりにきたけど、大惨事だな、なにがあった、海。」





「なんにも」





プルルるっと電話がかかってきて



「ごめんなさいね、瀬川さんちょっと先生出てかなきゃ、休んでていいわよ」



と出てってしまった




なんてベタなタイミング