校内をすこし探してみてもなかった




次の日、どんよりで教室に入る




お父さんが小さい頃買ってくれたキーホルダー…


きっと見つかるまで落ち着かない



はぁ…









席に座ると背後から





「海、これお前のじゃない?」




晴の手には海のキーホルダー




「おおお!これ私の!どこにあったの?」




「下駄箱の…」




「え〜?晴くん、知り合いなん?こんな芋っぽいのほっときなよ〜」




うわあ女の子ががやがや集まってきた






晴を見る目は甘いのに私を見る目は鋭い



「晴、とりあえずありがとう!」



「うちらのことはみんな名字のクセに〜、なんならあたしの事も美優って呼んでみなよ〜




「ははは、宮崎さん」






晴がこの後なにかを言ったのはわからないけど、女の子の黄色い声にかき消されてわからなかった




名前で呼ぶの私だけなんだ




小中から今まで、こんなふわふわ嬉しいの初めてだ





初めて海に行ったとき、着くまで車の中でこんな気持ちだったなぁ