晴だけの海

かくして、放課後は美術室を使わせてもらうことになった






今は春。上を向くタンポポがとても綺麗だったから、タンポポを描くことに




普通に描いても面白くないから、下からタンポポを見上げる視線で描くことにした。


まさにアリ目線





納得いく色が出ないからかなり時間がかかる。








描き始めてから、5日目。



今日はできそうな気分だと、るんるんで美術室に行った。





早速、作業に取り掛かると、




米田先生と鈴木晴がダンボールを抱えて入ってきた。





「ごめんねー、鈴木くん。暇そうだったから」



「いいすよ、暇なんで」

「そう?ありがとう。あっ、瀬川さんと鈴木くん、飴食べない?」



「…味は?」

ぶどうか、みかんでありますように




「グレープとパイナップル」


「グレープ!」

「ほい、瀬川さんグレープ好きねぇ。
鈴木くんは?」



「あ、俺もグレープで」




うまうま。やっぱ糖分大切。




「瀬川海、美術部なん?」


「んーん、描いてるだけ」

「へー、見して」


見ても面白くないぞ

「そんな変な顔すんな」


「うまれつきですー」


「ははっ、おもしろ」



あっ、いい色が出来た。



ぺたぺたと塗っていく、ふんふん





結局その日の部活が終わる時まで鈴木晴はいた。