人通りの多い商店街を抜け、そのまままっすぐ進む。細い道に入って、薄暗い路地を突っきる。
 そこには、こじんまりとした1階建ての、どこか西洋風の家が建っている。
 青い屋根のペンキが少し剥がれ、煙突からは白い煙がふわふわと漂っている。
 一見普通の民家だが、よくみると看板がドアノブに引っ掛かっている。
ーー❬霊専門 相談所❭
明らかに手書きの看板だ。
そんな家のドアを開ける者が1人ーー。
チリン…と小さなベルの音が鳴った。