「よしっ」


親友に向かって勇気を出して呼ぶ。


「花音ー!おはよー!」


声を大きく出したのだって、久しぶりだ。


私の親友、滝本花音。美人さんでお姉さん的存在。


幼なじみなんだ。


「·····えーと、どちら様ですか?声は心菜に似てるけどでもこんな格好じゃないし、でも、顔もこんなだったような?でも、昔の話だしなぁ。うーん」


どちら様ですか?って完全に私の事わかってない·····?


ボソボソと何か言ってるし。


「かーのーん??心菜だよ!七瀬心菜!」

「え!?心菜!?どうしちゃったの!?」

「⋯⋯っ!」


大きな声でビクッと肩が揺れる。


急に驚くからびっくりした。


ど、どうしちゃったのって⋯⋯。