「うん。ほんとに素晴らしいと思うわよ」


花音がいきなりそう言った。


「え、なんで思ってることがわかるの!?」


声に出してないよね!?私!


まさかのエスパーですか!?花音!


そんな才能があったなんて長年の付き合いの私でも分からなかったよ。


「心菜と何年一緒にいたと思ってるの。それくらい分かるわよ」


「花音ー!!!」


私はいい親友をもったな。うん。


それを言うなら私も花音のことちゃんと分かるし。


長年一緒にいるとわかるものもわかってくるよね。


「ちょっ、声大きい。今入学式!」


花音に注意されてはっと我に返る。


「あっ、忘れてた」


へへっと笑ってみるけど、完全に引いてますね、これ。


でも、少しガヤガヤしてるからあんまり目立たなくてよかった。


「はいはい、次の人言葉言うから前むくよ」


「はぁい」


ちゃんと聞かなきゃ、と思ってた矢先、私と絶交したはずの睡魔くんがまた襲ってきた。