「⋯⋯これで、新入生代表の言葉とさせていただきます。七瀬心菜」


ふぅ、こ、こんなのでいいのかな。


すごくおどおどしちゃったんだけど!!


あー。せっかくならちゃんと言いたかったなぁ。


そんな後悔を残しながら花音の隣にまた座る。


「ちゃんと言えてたわよ」


「えぇ、本当に?」


私的には全然のダメダメだったんだけど。最初の季語的なやつもおかしかったし。


前、読んだ小説の中に新入生代表の挨拶が載ってたからそれをひねり出して言ったんだけどね。


いろいろと物語上の設定とかは省いて。


よかった。地味子の時沢山本を読んでおいて。


こういう時に役立つとは思ってもなかったけど。


「新入生の挨拶。五十嵐隼人」


あれ?私で終わったかと思ってたのに。


「今年は二人いるのね」


2人とか生徒退屈なだけじゃない?じゃあ、私言わなくてよかったじゃん。


「なんで??」


「学年一位が心菜と五十嵐くんって人だったからよ」


ほほー。


学年1位とは新入生代表に選ばれた時点でわかってたけど他の人から言われると少し嬉しくなるねぇ。


学年1位とか·····私ってば素晴らしい子だ。