「もうこれもいらねえな」 空のラムネ瓶を持ち上げて、目の前の景色を透かしている衣純。 「えっなんでよ、これからも飲もうよ」 「あっちいじゃん」 「それもいいんじゃない」 「まあ千夏の隣ならなんでもいいけどな」 「……」 「なんだ、照れてんのか?」 ニヤニヤと私を見る衣純は本当に楽しそうで、そんなところも馬鹿だなあって思う。 「ああそうだ」 ラムネ瓶を透かしたまま私の方に向き直る衣純。 その奥に見える瞳は、熱を帯びていた。